

2025年12月8日
最高の一冊
2025年12月3日発売の颯人選手の著書『話したいことがある』を手に取り、速攻で読み終えました。ひとことで言うと――最高の一冊でした。
なぜここまで心を動かされたのか? 最大の理由は、これまであまり語られてこなかった颯人選手の「内面」が丁寧に綴られていたからです。天皇杯5回優勝、全日本シングルス4回優勝、世界選手権国別対抗戦優勝3回――世界最高峰の後衛が、自分の考えや選択をここまで率直に語ってくれたことに、ただただ感動しました。
私は早稲田大学の先輩ということもあり、大学の練習にお邪魔したときやヨネックスワールドチャレンジ際は共に試合解説をさせていただくなど、少し関りがあります。その中で印象的だったのは、2016年の東京インドア前日の電車での会話。「僕はピークで辞めますよ」と笑顔で話していた颯人選手。当時大学2年生でそんなことを考えているなんて、本当に衝撃でした。「勝っているときに強い選手のまま引退するってかっこいいじゃないですか」という言葉は、今でも忘れられません。
本の中で特に心に残ったのは、「群れない」という選択。勝負に勝つために、自分で考え、自分で集中する時間を大切にする姿勢。これは私自身も共感する部分で、今でも財産だと思っています。
さらに、何度も出てくるキーワードが「感謝」。勝負に厳しい一方で、人を思いやる気持ちを強く持っていることが伝わってきます。だからこそ、颯人選手を応援する人が多いのでしょう。
そして驚いたのは、ソフトテニス界全体を俯瞰している視点。ジュニア育成や日本ソフトテニス連盟への提言など、競技者としてだけでなく、業界全体を良くしようという思いが随所に感じられました。この本を読んで、私自身も「ソフトテニス界に貢献する」という目標をさらに強く持つようになりました。
とにかくおすすめです。 ソフトテニスに関わる人はもちろん、競技者の思考や挑戦に興味がある方にもぜひ読んでほしい一冊です。 (これは私個人の感想です。)
